ケアマネージャーが思うことを呟いていくブログ

現職ケアマネ、前職社会福祉士、介護福祉士が福祉、医療、その他興味があることを書き捨てるだけの自己満ブログ

介護を辞めたいと思う新入社員さんへ

もうすぐ6月になり、新入社員にとっては三ヶ月目を迎えることになる。

毎年、この3ヶ月間に早々に去っていく新入社員も多くいるといわれている。

その理由は、もしかしたら、介護が向いていなかったとか、やりたいことと違ったとか、色々なものだと思う。

辞めていく職員だけでなく、慣れない中で頑張っている職員にも、自分がしたいことをするために就職したのに、実際にできていないと思う新人職員も多いと思う。



「自分にはこの分野が向いている」と考え、それ以外の分野には興味も持たない人も多くいると思う。

例えば、
「私はレクが苦手だからデイサービスよりも入所の方が向いている」
「夜勤は辛いから、日勤だけのデイサービスが向いている」
とひたすらに信じている人は、比較的数か月で辞めてしまう傾向が強いと思う。

なぜなら、そう考える時点で、困難から逃げる選択肢しかないからだ。

もちろん、家庭の事情とか、持病とか、やむを得ない理由もあるだろう。

しかし、困難から逃げる癖が付いているとどんな環境でも長続きしない理由がある。


それは、ある分野で一定の経験を積むためには、自分の力で困難を乗り越えなければいけないということだ。


ただなにも考えずに、お金だけもらえればいいやと考えていると、確かに楽だろうが仕事が楽しくない。

仕事を楽しむためには、自分から困難への対応策を考え、実行し、困難を乗り越えなければいけない。


よく、「介護はやりがいがあるから就職先に選びました」という話を聞くが、それは少し違う。

やりがいは仕事についてくるのではなく、仕事を頑張った結果についてくるものだからだ。

だから、
「三ヶ月働いたけどやりがい感じないから向いてないんだ」と辞めていくのは、
「自分はなにもしなくても勝手にやりがいがついてくる」という、極めて他力本願で自己中心的考えだ。

そんなやりがいさえも人任せにしてしまう人間を受け入れてくれる環境が整っているほど、金を稼ぐという意味での社会は甘くないだろう。

仕事をする上でのやりがいを得る為には、自分からやりがいを得られるような働き方をしなければならない。

それは時に苦痛や悩みともなるが、それすらも乗り越えたときに快感となり、やりがいとなる。

その快感、やりがいを、少なからず感じている私からすると、やっと仕事に慣れてきたこの時期に辞めてしまうのは、かなり勿体無いと思う。



とはいえ、「辞めたいと思ってしまったのだから仕方ないだろう」という反論ももちろんあるだろう。

そんな反論に効果的な改善策を提示したい。


まずは、自分が何に対して困難を感じているかを知ることだ。

「辞めたい」と思うということは、少なからず困難を感じているということだ。

それは、オムツの付け方がうまくいかないと言うことかもしれないし、時間内に業務が終わらないと言うことかもしれない。


自分の感じている困難が分かったら、次は職場の尊敬できる先輩にアドバイスを求める。

新人の自分が抱えている問題は、たいてい先を行く人は誰でも感じたことがある悩みだからだ。

もし、尊敬できる先輩がいない時は、SNSを活用する。

介護系の情報を発信している人が多くいるので、その中で「かっこいい」と思える先輩を見つけることも手段の一つだ。


しかし、アドバイスをもらっても問題は解決はしない。
困難の解決するには実践を積むしかないからだ。

この段階になると、根性論もある程度重要になる。
「介護を諦めない」という強い気持ちも大切だ。



これは仕事に限らず、趣味やスポーツにも同様のことが言える。

興味を持ったことを、ひたすら練習を重ね、困難に当たったらどう対処すればいいかを考え、さらに練習する。

そのように練習を繰り返した結果、一流と呼ばれる人になり、
趣味の分野なら多くの人に趣味を広めたい、
スポーツなら大きな大会で優勝したい、など、
初めて「目的」が生まれる。

介護の分野で言うと、
困難を乗り越えて実践を積んだ結果として、
例えば「利用者のためのケアをする」という目的が生まれる。

介護を始めて数か月で、「利用者のための」とか「やりがい」を求めると、それはどんなに出来た人であっても重荷になってしまう。

最初のうちは、目的を考えられるようになるまで、「繰り返し練習をする」ことが、介護のプロになるための第一歩だと思う。