ケアマネージャーが思うことを呟いていくブログ

現職ケアマネ、前職社会福祉士、介護福祉士が福祉、医療、その他興味があることを書き捨てるだけの自己満ブログ

ケアマネが常に考えることとは

これまで居宅・施設問わず、様々なケアマネさんと関わってきたが、自分がチームを引っ張っていきたい人、全て他人に任せる人等色々だった。自分は他職種他ケアマネの目にどう映っているのだろうと気になることがある。

ケアマネは基本的に独立している職種なので、仕事をするための計画や方法は個人に任されていることがほとんどである。

そのため、同じ事業所内の居宅ケアマネでも、関係者からの評価は差が出る。


確かに道順は人それぞれだが、行うべきことや意識することの要点はだいたい決まっている。
しかし何を要点と思うかも、人それぞれなのだ。

よって、信念を持って業務に取り組んでいないと、何となくアセスメントをして、担当者会議をして、定期的に計画書を作り直すだけの業務になる。

文字通りの「業務」は、ケアマネには適さないと考える。
文字通りの「業務」とは、例えばカレンダーに計画を書いて、その通りに動くものという意味で書いているが、
個人的には、実際に利用者を観て、必要なことをする中で、「業務」が入ってくることが理想であると考える。

そのためにはなにが必要か、というと、
再アセスメントとリスクマネジメントの視点を持つことだと考える。

以前デイケアで相談支援員をしていたとき、ある利用者の若干の状態変化を担当ケアマネへ報告したところ、定時前だったからなのかは分からないが聞き流されたような返事をされたことがある。
そのケアマネは、担当者会議でこちらが発言しても、自分の作った台本通りに会議を進めることを何よりも重視しているようだった。

その小さな変化が、今後どのようなリスクを生じる可能性があるか。
例えば、歩行時ふらつくようになった、水分摂取時むせるようになった、などの大きな変化であれば、ほぼ全てのケアマネージャーが対応を検討するだろう。

しかし、より大事なのは、普通なら見過ごすような変化に着目できるか、だと思う。
なぜなら、普通なら見過ごすようなことは自分以外の専門職も見逃す可能性があるからだ。
より軽微の変化にリスクを見いだすことができれば、起こりうるリスクは最小限に抑えることができるかもしれない。

「ケアマネよりも現場の職員の方が本人のことを見ているから、リスクの発見は現場の役割だ」という反論もある。
特に在宅のケアマネは、月一のモニタリング位しか本人に会わない、という人もいる。

しかし、在宅の場合、利用者の生活全体を見ることができる唯一の人間が、ケアマネである。
現場の職員は、事業所の中での利用者という、ごく一部の切り取られた場面での利用者しか知らない。
家での本人の様子をケアマネから聞いて、「そうなのか」と意外に感じることもある。


それと、リスクマネジメントを現場に押し付けるのは個人的にはどうかと思う。
もちろんできるに越したことはないが、現場は将来的なリスクよりも今の利用者を見ている。今、事故を起こさないために動いているからだ。
現場に求めることとしては、今の利用者の状態を正確、詳細に提供してもらうことであり、リスクマネジメントは基本的にはケアマネの役割りとして担当者会議での周知を図る、計画書に載せるなど中心的に取り組む必要がある(ケアマネの配置がない事業所は現場職員が行う必要がある)。

また現場職員のリスクマネジメント能力には、経験や知識量、職員本人のやる気によっても差が出るところであり、研修を一定以上行なってきたケアマネが専門で取り組む必要性も出てくる。リスクマネジメント能力の差は、利用者のリスクに直結する。

そして、本人の状態を知ることは実際に本人に会わなければできないことではない。
大勢の利用者を受け持ちながら、決まった時間で、出来る限りの情報を集め続ける。

これが、ケアマネの再アセスメント能力であると思う。

具体的には、今後予測されるリスクの前兆として、身体的・精神的・環境的など様々な方面からどのようなことが起こってくる可能性があるかを、担当者会議などで周知し、そのリスク発生を防ぐための前兆があった場合にはすぐに情報提供、共有するよう徹底していくことが、方法の一つとしてあげられると思う。


様々な方法でできるだけ多くの情報を集め、小さな変化からリスクを絞り出し、そのリスクを避けるための対応を全関係者で協議し実行する。
ケアマネの業務は延々これの繰返しであると考える。