ケアマネージャーが思うことを呟いていくブログ

現職ケアマネ、前職社会福祉士、介護福祉士が福祉、医療、その他興味があることを書き捨てるだけの自己満ブログ

介護職の仕事とは~求人広告から考えたこと

日曜日になると、新聞に求人広告が挟まってくるので目を通すことがよくある。
そこには介護施設の介護職員募集の欄が沢山あるが、
そこに書かれている介護職員の仕事案内にほぼ決まって書かれるのが、
「食事、排泄、入浴の介助です!」
という言葉だ。

毎回、この言葉を見る度に、違和感を感じている。

はたして、介護職員の仕事は、食事、排泄、入浴の介助なのだろうか。


結論から言うと、この言葉は入居者を預ける家族に対しては言っても良いが、これから働く介護職員に言ってはいけないというのが、私の考えだ。

なぜなら、食事、排泄、入浴の介助は、手段であって目的ではないからだ。

では、なにが目的なのかと言うと、言うまでもなく「自己実現」である。

入居者や利用者のニーズと現実のギャップを埋めるために、食事、排泄、入浴の介助が必要なのだ。

例えば、「足が不自由でお風呂に自分で入れない」という問題があった場合、
「清潔と安全面の介助が必要」なのであって、
ただ「お風呂に入れる介助が必要」というわげではない。

にも関わらず、
「入浴介助の仕事です! 」と求人ちらしに書いてあれば、経験のない素人さんも、「私にもできるかも」と気軽に面接を受けることになる可能性がある。
すると、実際に入職してから自分のイメージとのあまりのギャップに驚き、長く続かないケースも多いと思う。

もちろんこれは、素人さんが悪いのではなく、施設の宣伝方法が悪かったのである。

これが、
「利用者様や入居者様の自己実現のために、ベストな支援方法をチームで探していく仕事です!」
と書いてあれば、もしかしたら入職後の仕事にも、ある程度覚悟をもって働ける人材が集まるかもしれない。

介護職員の仕事を法人担当者が間違ってほしくないと思った出来事であった。