ケアマネージャーが思うことを呟いていくブログ

現職ケアマネ、前職社会福祉士、介護福祉士が福祉、医療、その他興味があることを書き捨てるだけの自己満ブログ

みたいケアプランを作る

ケアプランは、利用者や家族からすれば自己実現のために自分の課題を整理しその課題を解決するために必要なことを可視化するのに役立ち、
職員からすればケアの内容やその根拠を理解するために役立つ。

居宅サービス、例えばデイサービスの職員は、
通所プランをみると自分達が行うケア内容が分かるが、居宅プランをみると利用者が使っている他のサービスが分かり、またそのサービスを使う根拠がわかり、利用者の生活全体を把握するのに役立つ。

利用者の生活はデイサービスの中で完結しておらず、
むしろデイサービスの中での利用者は、様々な人やサービスとの関わりの中のほんの一部でしかない。

そのため、デイサービスの中での本人だけをみて本人の性格や生活全てを理解するのはほぼ不可能だ。


居宅プランにしても施設プランにしても、本人をトータル的に捉えたケアプランはサービスを提供する職員には是非見てもらいたい。

しかし、配布されてもカルテにしまわれ、見られることがほとんどないケアプランは少なくない。

もちろんケアプランを見ることが業務の中に位置付けられていればとりあえず見るだろうが、
それは言われているから見るので記憶に残っていない可能性がある。

大切なのは「見たいから見る」プランを作ることだ。

では、どのようなプランであれば見たいと思うか。

みたいプランの特徴はいくつかあるだろうが、
一つのテーマは、意外性だと思う。

例えば、普段無口で静かな女性利用者の生きがいがマージャンで、その事がプランに入っていれば、「試しにやらせてみたい」と思うかもしれない。

そんな意外性は、パターン化されたケアプランには見ることがほぼできない。
性格や生活歴、職歴や趣味特技などを詳細にアセスメントした結果として、プランに取り入れることができる。

この意外性は、施設よりも在宅のケアプランで取り入れやすいと思う。
利用者の表情や話す頻度などは、家にいるときと外にいるときで違うことが多いからだ。
私たちでも、外で他人の中にいるうちは多少かしこまって、猫を被っていることも多いのだから、特に慣れるのに時間のかかる認知症の利用者ならなおさらである。

そこで、通所サービス、訪問サービス、入所サービス(ショートステイ)を利用するなかで、それぞれの事業所で本人にどのような違いがあり、
本人のニーズを満たすために、その違いに対してどう対応するかを検討しプランに取り入れることが必要だ。

本人が自宅にいるときが一番本人らしさが出ているならば、通所入所サービスでどういうケアをすれば本人らしさを引き出せるのかを検討すべきである。


その、自宅にいるときの状態に、通所、入所事業所職員は意外性を感じるかもしれない。

意外性を感じると、その情報は記憶に残る。
そして、意外性のある情報をプランから得たと記憶されると、またプランをみたいと思うかもしれない。

そのような聞いて面白い情報は、利用者が全員持っていると思って間違いない。

更新の度に、意外性のある情報をストーリー性を持たせてプランに入れられるとなお良い。

なにより、更新の度に利用者本人のことを知ることができる楽しさと、それをケアプランを通して各事業所に伝えるという楽しさがある。

面白い情報を取り入れたケアプランは、見る方も作る方も楽しめると思う。